早くて夏まではDrupal 10は来ないが、そろそろ来るぞということで、環境を作ってDrupal10のalpha2をインストールしてみた。ページから分かるようにcomposerではなく、ファイルをダウンロードして展開するスタイルだ。インフラ要件で大きな差は、PHP 8.1以上である。Drupal 9 coreはPHP8への対応は済んでいるが、Automated testing環境は7.4なのでContributed Modulesなどの対応はまだまだ進んでいない状態で、PHP 8.1に対応が済んでいないものが多い。
体感としては、PHP8になって速くなったという感じはあるものの、Drupal10は目に見える機能では、Drupal9と正直にって変わらない。サイトビルダーから見ると、大きな変化はCKEditor5だけだと思う。それにしてもそれほど大きな変化はない。どちらかと言えば、PHP8対応やSymfony6対応といった依存環境の進歩への対応という印象が強い。ただ、中身はより堅牢な方向に動いているので中長期視点で見た場合、良い方向に動いていると思う。
一応、CKEditor5もClaroとあわせて触ってみた。
CKEditor5は、レイアウト機能が充実するのが良いし、結構サクサク動く。CKEditorのサポートページの記述にある通りだと思う。ただ、CMSとしてのDrupalという観点からするとリッチテキストがレイアウトと近づきすぎるのはデメリットでもある。とは言え、コンテンツ作成の充実が進むのはありがたい。
少し長い目で見るとレイアウトビルダーの進化への期待がある。現時点ではほとんどの拡張モジュールがD10未対応だが、既に多くのモジュールが作成されている。レイアウト故にどうしてもThemesやCSSフレームワークに依存するものが多いのが残念だが、過渡期を過ぎればフィールド単位の表示形式指定を超える表現がモデルをあまり壊すこと無くできるようになるのではないかと期待している。日本では、氏名表示順や住所表示順などで言語環境に応じて表示を変える需要はあり、自然な対応方法も確立していくだろう。
ざっと触ってみて感じたのは、実用時期が来るのは来年2023年になるような気がしたということだ。