日本のマイナンバー制度は政府が国民を管理するモデルになっているのでうまくいかないのは当たり前だと思っているが、本来のeID観点で見れば、マイナンバーカードと健康保険証の統合は理にかなっている。運用次第で個人の権利が大きくなるので、それが明確にできれば紐付けを嫌がる理由はなくなるはずだ。
診療情報は個人に紐付けられるもので、セキュリティが保たれた状態(個人が開示をコントロールできる状態)で一元管理できたほうが良い。他人からは許可なくアクセスできないが、自分は薬や人間ドックやワクチン接種などの履歴を含めて全て見えるようになった方が良い。
健康保険は費用負担の問題で、今は例えば3割負担で個人が3割を支払い、7割を健康保険組合または国保に請求することになっているが、IT時代なら、10割を健康保険に請求して健康保険から個人に3割を請求するというモデルでも良いだろう。あるいは適切な信用供与があれば本人経由でも良いかも知れない。民間医療保険が受け口になる方法もあるだろう。今は、マイナンバーそのものの扱いが厳しいので、自由度がないが、利用開放が進められれば様々な応用が可能になるだろう。マイナンバーカードの保有が義務化されていないのも大きなハードルとなる。何なら、外国人にも入国審査時に滞在中のマイナンバーカードを貸与したら良いだろう。
もちろん、マイナンバーカードと口座情報は紐付いているのが望ましい。民間医療保険が発行するクレジットカードやデジタルウォレットなど医療機関向けの支払口座が登録されていれば、医療機関はマイナンバーに対して請求を起こせば良いことになる。会計を待つ必要も無くなる。人件費も減るだろうし、現金を扱うコストもなくなる。
制度整備の順序をどうするかという問題はあるが、eIDの活用はもっとどんどん進めるべきだと思う。
政府はもっと大きな絵を描いて改革を進めて欲しい。ちまちまとポイント付与とかをやるのは感心しない。