タリンの積雪は恐らく30cm強だと思う。様々なものを覆い隠して美しい。今日は、ラトビア国境まで行くかカドリオルグ宮殿を訪問するか迷ったのだが、昨日も遠征したし良い時間に戻ってこようと思うと滞在時間が短いのでタリンの郊外のカドリオルグ宮殿を選択することにした。海周りのちょっと遠回りの道を選んだことで期せずしてアドベント第二主日礼拝を教会ですごく事になったが、無事所期の目的を果たすことはできた。
冒頭の写真はカドリオルグ公園の海側の入口あたり、このはるか向こうにカドリオルグ宮殿がある。美しい公園で、今は憩いの場になっているが権力者が造成した巨大な宮殿敷地のなごりだ。宮殿そのものは美しいが私には感動を与えるものではなかった。
裏庭も広く立派なものだが、エカテリーナ妃には自由はなかっただろう。
せっかく立派な造成地、建築物だから大事にしたほうが良いと思いつつも、暗黒の歴史の産物だなあと感じたのであった。今日の礼拝でも自由(vabaduse)という言葉が出た。なんとか、衣食住が得られたら次は自由が欲しくなる。専制下では自由が衣食住の確保と同義と見えることもあるだろう。
タリンにはいくつもの顔がある。美しい旧市街の町並み、人工的なカドリオルグ公園、そして今日3年ぶりに訪問したのは、駅向こうの再開発エリアだ。日本でも著名なコワーキングスペースLIFT99のある辺りである。
工場跡地らしいが、汚くて建物は半壊後の再生状態、落書きだらけなのだが、反骨の強さが感じられるエリアだ。
歩いているのは若者ばかりで生気に溢れている。若いお姉さんもエネルギッシュだ。ちょっと六本木裏の匂いがする。
タリンは小さな都市だが、小さいのに関わらず多様性がある。観光客も多い。私はこの街に魅せられている。