ウクライナ戦争で、国家観のことを考えさせられている。プーチンの戦争と言われているが、恐らく私心というより彼の国家観に基づく判断だろう。2つポイントがあって、国家は元首の判断で運営するものだという価値観と、国土も国民も突き詰めれば元首のものだという価値観だと思う。
自民党の改憲素案は「第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」とある。「主権の存する日本国民の総意に基づく」と言い訳がましく書いているが、元首の存在を置くということは、上の2つの価値観を是とする考え方だと思う。そして、与党の党首が元首を操ることで独裁制による専制と隷従を実現可能になる。集団的自衛権と同じで、どうしても元首という言葉を入れないといけないのだろう。
権力の頂点に上り詰めるような人の中には、口にしていなくてもそういう価値観、国家観を持つ人が少なからずいて、虎視眈々と独裁を狙っているのだ。
どんな善人でも、気が付かない内に独裁者になってしまうことはある。何とかして、強権を発揮できないように制度を作り上げていく必要があると思う。