日本共産党の綱領をみると、共産主義でないですね

何気なくTwitterを眺めていたら以下のツイートが目に入った。

気になって日本共産党の綱領を見てみたら、2020年に改定されていたらしい。いくつか刺激的なところがある。

「(五)わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている。」とある。まあ、そういう解釈はあるだろうと思う。いわゆる右派の人たちと認識は変わらないのではないだろうか。私は日米同盟は基軸という記述にはあまり良い印象を持っていない。

外務省は、良くある質問 北米で「日本と米国は、基本的価値及び戦略的利益を共有する同盟国」と書いているが、イメージとしては「事実上の従属国」という側面はあると思う。同時に保守派と呼ばれる人が同盟に言及する度に、世界の頂点に立つことを指向していて同盟関係は方便だと感じてしまうのである。昨今の統一教会問題も対米従属問題も私には類似の構造に見えていて、権力を掌握するためなら使えるものは何でも使うというメンタリティを感じてしまう。天皇を元首に位置づける延長線には上下関係の確立しかありえないから、アメリカを従属国に落とさなければ目標は達成し得ない。アメリカにも覇権を指向する人はいて、そういう発想を持つ人同士は一時的な協力関係を持とうとするように見える。大義のための雌伏ということなのだろう。あえて「米国では2009年1月にオバマ政権が発足しました。日本は、オバマ政権との間でも日米同盟の重要性を確認するとともに、緊密な連携を図っています」と書いてあるところが興味深い。

日本共産党の綱領はその欺瞞を正直に書いていて、それって本来の形じゃないでしょ、と主張している。もちろん、誰かを頂点とする支配の構造を目指す勢力と、独立後に目指す姿は大きく異なるだろうが、それは別として従属国で良いわけがない。実際問題として、アメリカにはかなり強い帝国主義的な行動が目立っており、最近の分断によって建前すら守る気がない主張が表面化している。力で抑え込もうという傾向があるが、実際には十分には成功しているとは言えず、アメリカの希望を叶えることはできていない。

保守派は従属国から真の独立という地位を得たいだろうが、表立っては口にしないところからして嘘つきだと思う。

民主的改革の第一として「日米安保条約を、条約第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ」を挙げているのも刺激的だ。とても現実的とは思えないが、目指す姿としては妥当に思える。じゃあ、どうすれば良いかというところは、見当たらないので少なくとも現時点では絵に描いた餅だろう。しかし、このステップを超えられなければ日本は独立国とは言えないと思う。

ウクライナ侵攻の現実を前にすれば、自衛隊の解消は無理筋だ。とは言え、武力増強で国が守れるということも言えない。一国のみで何とかできるわけがない。北欧諸国がNATOに入るのは現実が自衛力だけでは済まない現実を直視しているということだと理解している。

やがて、アメリカは覇権を維持できなくなるだろう。一つの道は、一国で防衛可能な国を目指す未来だろうが、中国が本気になればどう考えても守りきれない。国力が違いすぎる。そう考えると、やはり武力に頼らない道を目指すしか無いだろう。個人的には徹底的な開国と、開国で治安が悪くならないような内政の強化が必要なのだと思う。

私は無党派だが、ちょっと考えただけでも、自由と人権、民主主義を大事にするというのは容易なことではないと思わされたのだった。民主主義国では、道の選択は主権者の責任である。

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