プロフェッショナルサービスは蜜のように甘い

ここ数年、いくつもの仕事を並行して進めている。

多少は儲かる仕事もあれば全く儲からない仕事もある。しかし、明確に顧客がある仕事はどれも楽しい。簡単に楽しいと言ってしまうのは語弊があるが、お客様との関係がうまく行っていようと、そうでなかろうと、顧客の顔が見えている仕事は短期的な成果がはっきりするので頑張りやすいのだ。

ただただやれば良いというタイプの仕事は私には回ってこないので、必ず真剣に考えなければいけない事ばかりである。

IT関連の仕事であれば、ある程度の土地勘があって自分の期待に対して9割は予想通りになる。挑戦気質なので95%にはならない。しかし、お客様のある仕事は基本的に100%でなければいけないし、お客様の期待に対して105%程度の成果を出し続けるのが望ましい姿である。自分の期待からレベルを設定するのではなく、お客様の期待を基準に考えないと、「すげー」と称賛される瞬間があっても長くは続かない。顧客のあるプロフェッショナルサービスは基本的に人間関係と同じなのである。

一方で、お客様の期待を基準におく習慣がついてしまうと、挑戦力が失われていく。限界に挑戦し続けなければ、見えない景色はある。人生はバランスだ。振れ幅が大きければ、喜びも苦痛も大きいが、それは蜜のように甘い。

調査研究の仕事はさらに楽しい。自分が詳しい分野であっても、必ず自分の知らない事にぶち当たる。例外は無い。壁にぶち当たれば悩み苦しんで解を見つけようとする。見つかった解が正しい時もあれば幻想にすぎない時もある。納期があれば、何らかの形で答えを見つけなければいけない。アドレナリンが出まくって、瞬間的には元気が出るが体にはこたえるのである。この挑戦も蜜のように甘いが、渡り切れなければ顧客に迷惑をかける事になる。自分が信頼を失うのは自業自得だが、お客様の担当者を巻き込むような事があれば、プロとは言えない。

道は開けると信じて、前を向いて歩くしかないのだ。

仕事があるという事は、本当にありがたいことだ。感謝。