パラダイムシフトは間近だと思う

hagi2020/12/01(火) - 00:16 に投稿
スウェーデン、ウプサラの古墳

新型コロナは、いろいろな現実を見せつけるとともに、かつて無いほど甘い夢が権力者から語られている。幸せだったところだけを切り取って過去を美化し、過去を取り戻そうという、例えば「美しい日本」などというスローガンに乗れば、戦争の時代を取り戻すことになる。勝ち負けの世界がエスカレートすれば、戦後の荒廃が待っているだけだ。

私は、かつてラベルつけするなら、ネオリベに近かったと思う。東大卒ではないが、自分は勝ち組側だと思っていたし、小なりといえど東証一部上場企業の取締役に登りつめて9年間その地位を維持したのだから、全く根拠のない勝利感ではないと言っても許されるのではないかと今も思っている。しかし、退任後7年を経て考え方は大きく変わった。会社を離れて別の視点を持つと、違う世界が見えてくるのである。動き回ると見える世界が変わるのは、1987年のミラノに初めて日本を離れて行った時、小さな差別を経験したのが印象に残っている。ニューヨークに赴任した時も2年で日本語の位置づけが一変した。退任して数年を経て、地元のバーに繰り返し出入りしてとりあえず「居ても良し」と認められたと思うようになった時、また見える世界は変わった。見える世界が変わると、全能感と言うか、自分は様々な景色が他の人よりよく見えるようになったと勘違いしそうになるが、子供の時に見えていた景色が大人には見えないように、新しい視点を獲得すると同時に過去の視点はおぼろげな記憶はあるかもしれないが、かつてのように見えることはない。

私がもっていたかつての視点に近いと思うある人のブログをいつも読んでいる。恐らく、ビジネスとして相当な成功をおさめている方で、北米在住と書かれている。言語化能力が高く、かつて私が考えていたような事を伝わる言葉で書くことのできる嫉妬心を呼び覚まさせるような方だ。最近の記事で印象に残ったのは、私がベーシックインカムに反対なわけだ。自分が(本当は本当の勝ち組だとは思っていなかったが)勝ち組側だと思っていた時は快哉を叫んだような気がする。

そもそもベーシックインカムは年金制度を無くしてその代わり全国民に最低限の生活できるであろうお金を毎月政府が振り込んでくれるという発想です。金持ちも貧困者も全員差別をつけないのが前提です。そもそもこの段階で同意できるでしょうか?

機会の平等はともかく結果の平等を保証したら世界は終わるという主張で十分に説得力がある。ただ、太平洋戦争でゼロクリアされてしまってほぼ100%の人がリスタートして競争を始めた時だったら、この主張は合理的だと思うが、生きていけるだけの経済力を持ち、再配分すれば誰も飢えることのない環境を手に入れた後は、恐らくその主張も変えたほうが良い。

一部でベーシックインカムの推進を取り入れようとする動きがあります。これは欧州で高度な社会保障制度の流れがより発達した進行形ではないかと考えています。北欧のような社会保障を日本でも取り入れようという考えがあるのは知っています。

とあるように、北欧の国々は少子化と経済縮小の苦労を身にしみて経験した上で、それぞれ違う政策選択をしているものの、社会主義的な方向に舵を切っている。アメリカが象徴的だが、格差拡大傾向が止まらなくなると、9割あるいは99%以上の民は負け組になる。為政者は革命が起きるとは思わなくても覚醒されるのは不具合だから必死に豊かな中間層が継続しているかのごとく粉飾する。つまり、もし民が現実に気がつけば、「金持ちも貧困者も全員差別をつけないのが前提です。そもそもこの段階で同意できるでしょうか?」にYesと言う。民が気がつけば、富を独占している勝ち組に心からの憎悪を抱くようになるだろう。

新型コロナが見せつけた現実は、政府も与党自民党、公明党も生命よりも金を取るということを筆頭に、まずは保身、その上で民を考えるという姿勢だ。私は国会議員の大多数は善意に基づいて行動していると思っているし、良かれと思って優先順位を決めた結果、GoToキャンペーンは「正しい政策」だと確信している議員も少なくないのではないかと思っている。しかし、特に総選挙という不安定さの上に成り立つ競争社会で戦ってきた人たちから見れば、何はともかく自分が議員として生き残らなければ何もできないということが恐らく骨の髄まで染み通っているのだろう。だから、1日2,000人感染者が出れば、やがて20人の死者がでることが分かっていても、それが1年続けば7,000人以上になることも分かっていながら、感染拡大を容認してしまう。金持ち、あるいはネオリベやネオコンを喜ばせない限り、次はないと思い知らされているのだろう。

ネオリベもネオコンも勝者が全てを獲得するという考え方では一致していて、従来のリベラルや保守とは全く違った過激な思想である。過激なだけに訴求力は大きい。ただ、冷静に引いてみれば、どちらも、どう考えても持続性がない。その道を扇動者は広く見せるが、明らかに滅びの道である。これまで人類は幾度となくその滅びの道を選んできた。今回も同じ過ちを犯す可能性はかなり高いと思うが、もし発症すれば大量のゼロクリアが起きる。その結果、パラダイムシフトも起きる。できれば、過ちを犯して血が流れることのない形でパラダイムシフトがおきたら良いのにと思う。

私は、ベーシックインカムに賛成である。財源は累進課税または資産課税に頼ることになるだろうと思っている。

画像は、スウェーデン、Upsalaの古墳。雄大な景色が古の繁栄を思い起こさせる。

Twitterシェア