今週、私の直接の知り合いが13,645分の1の人になった。じわじわと悲しみに支配されている。本人と周囲の方々を思って祈る。
数値として読めば、死者数は日本の人口の約1万分の1にあたる。お店を開けられなくて困っている人もいるし、オリンピック選手のこれまでの努力に思いを寄せれば、日常の回復やイベントを求める気持ちはわかる。しかし、この13,645人の大多数はコロナがなければ今日も生きている人だ。
いろいろな考え方はあるだろうが、私は命を守ることを最優先に考えるべきだと考えていて、できるだけ安全サイドに振るべきだと思っている。毎日50人を超える方が亡くなっている事実をもっと重く捉えたほうが良いと思う。しかもちょっと油断したらどうなるかを他国の例で私達は分かっているのだ。私には、オリンピック推進者も不要不急のイベントの推進者も殺人鬼に見えている。社会活動を止めれば別の犠牲者が出ることも分かっているが、防ぐことのできる死者を増やさないでほしいと心から願っている。一方、治験が完全には安全でないように、挑戦者がいなければ未来は開けない。挑戦者も尊重されて然るべきだと思う。我慢できない人がいるのもしょうがないことだと思っている。我慢できない人は我慢できないなりに慎重になってほしい。慎重にしてもリスクはゼロにはならないが、慎重であるほうがリスクは下がる。私は人死は見たくない。
とにかく、誰もにそれぞれの考えに沿ってこの戦火を生き延びていただきたいと願う。私は、オリンピックを推進する政府・与党あるいは首長を決して支持しない。イベントを命に優先する感覚が理解できないのである。幸い今の科学技術をもってすれば、コロナとの戦いは、丁寧にやれば負けずにすむはずだ。