昨日のDrupal Meetup Tokyoでオブジェクト指向UIデザインという書籍が紹介された。つい年甲斐もなく反応してしまったのを恥じている。
私は24歳(1984年)の時にコンピュータアプリケーションズ(CAC)に入社した。当時は、(今と同じく)AIの黎明期で、第五世代コンピュータとか、エキスパートシステムという用語にひかれていた。しかし、当時の尊敬する先輩たちは、そういった新しいことよりは、構造化プログラミングやモデリングの重要性に焦点を当てていた。新人の頃から、データ中心アプローチ(DOA)という用語に接したことを思い出す。CACは当時興銀や野村證券を大得意としていたので、現実を見ている人は、AIがめざす人間のモデリングより、実用的な業務モデリングに注目していたのである。
ジャクソン法、ワーニエ法、モジュール強度など今は定かに思い出せない様々な理論を学んだ。辛うじて今記憶に残っているのは第3正規形だけである。モデリングに証明がついていたのは衝撃だった。ただ、しばらくしてRelational Modelでは時間を扱うのが難しいことに気がついたのを思い出す。時間とともにスキーマも変わる(主に詳細化する)し、その時の従属関係は時が移ればやがて失われる。Human is mortalは、AIで議論となっていた問題でもあった。それでも、プロセスから考えるよりデータから考えたほうが遥かに安定性と柔軟性が高いことを学べたのは幸いだったと思っている。
結局それから約40年を経ても本質的には問題は解決されていない。この書籍の存在がそれを証明しているように思う。
※画像はWikimediaのBoochダイアグラムから引用