テレビ局のこと

私はNHKには存続してもらいたいと思っている。広告主におもねる必要がないところに期待している。一方で、政府の人事権が強すぎると大本営発表に堕す危険は感じている。気が付かれていない小さな問題や、気候変動やエネルギー問題など長期的な視野が必要なことを事実に基づいて報道してほしい。外国で起きていること、何がどう違うのかも知らせてほしい。事実に基づく報道は、支持者の多寡とは関係ない。

民放の解説番組はよくながら観しているが、番組や解説者によって事件に対する評価が分かれるのが興味深い。しかし、どうしても広告というシステムの影響は受けやすいように思う。広告代理店を通じて有力政党の影響も出ているように感じられる。桜を見る会問題でサントリーはアウトだと思うが、取り上げられないし、自動車の今後、エネルギー問題の今後は明らかに重要問題なのに、グローバル視点に欠けるように感じられる。流通やナショナルブランドに関してもよほど反社会的なことが起きなければ問題点は表に出てこない。金の力は怖いと思う。

社会の公器としての報道機関という矜持を持っている人は少なくないと思う。透明性を高い社会を作るためにもっとできることはある。特に個別の報道機関に属さず政府の支配を受けないようなファクトチェック機関があったら良いと思う。

ぶっ壊して再建する道もあるだろうが、私は報道の透明性を高める制度を整備する道が望ましいと思う。

野党が一致できる可能性もあるのではないだろうか。統一教会政教分離問題、モリカケ桜など個別の問題を追求することももちろん必要なのだが、事実がなかなか明らかにならない状態が悲しい。私は、一因に厳罰があると思っている。罰を重くすれば地下に潜る。罰が不要だとまでは言わないが、過去を罰するより事実は明らかにした上で、明るい未来を作る方に向かう方が良いのではないかと思っている。

Twitterでは個々のポジションから自由な発言がなされていて、それ自身は好ましいことだと思っている。しかし、個々の発言は故意でなくても事実と異なる主張が含まれてしまい、それが数を形成してしまうことがある。第三者機関を作ればうまくいくというような単純なものではないが、臨床試験のプロトコルのように制度を整えれば改善できることは確実にある。税金から研究予算を使っても特に対立のある分野ではファクトチェックが機能するようになった方が良いと思う。

テレビはフロントエンドの一つで、その窓から社会を見せているが、今はオンデマンド情報をネットで配布することができるのだから、もっとハイブリッドな環境で事実にアクセスしやすい社会に変えることができると思う。ファクトチェッカーも複数あったほうが良いだろう。