Coworking Europe2日目 - 最終日

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2日目は3つのセッションに出席。午後は、Tribesを見学して早上がりした。晩にパブクロールがあるが、スキップ。

発表順序では2番目だが、インパクトが大きかったので、まずThe Social Hubの発表を取り上げる。

From Hybrid Hospitality to Community-focused brand: the story of The Social Hub
Jason Steere Managing Director Brand & Experience The Social Hub (ex-The Student Hotel)
Introduce by Pauline Roussel, Coworkies

The Social Hub(以下TSH)はもともとThe Student Hotelだったところがリブランドしたものだが、明らかにグレードアップした感じがある。

最初のコンセプトは学生寮の提供だ。アムステルダムは大学が複数あり、地方から越してくる人もいれば留学生もいる。在学期間中に住む場所が必要になるから、その宿を提供しようという発想だ。ただし、ただ宿を提供するのではなく、勉強する場所、交流する場所、イベントスペースやレストラン(食堂)を提供した。

Covidの影響は甚大だったが、住むところは必要だから、安全性を高めながら運営を続け、現在は正常化している。Pre-conference getheringで、TSHを訪問したが、レストランスペースは盛況だった。

当初は学生相手で旅行者もホテルとして受け入れるという形態だったが、同世代の人が集まることでコミュニティが構成され、卒業後も住む人が出てきたり、コワーキングで継続的に関係を維持する人も出た。10年が経過し、学生向きという機能はあるものの、もっと広い形のコミュニティを構成するようになったこともあり、Covidでの事業見直しのタイミングでSocial Hubとリブランドすることにしたのだそうだ。

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ビジネスモデルとそのノウハウ、実績は資金調達も可能なレベルで、現在ではオランダを中心にスペイン、ドイツ、イタリアなど欧州で多店舗展開に成功している。Jasonは生涯機能するコミュニティの形成に成功していると考えている。
学生寮は学校が用意するものという常識を捨てたら大化けしたというすごい話だった。

一番目に出たセッションは、コワーキングコミュニティ再考というパネル。主催のJean-Yvesさんが座長。

Updating the coworking community concept ?

Mélanie Burnier (The WorkHub)
Nina Verrijt (B.Amsterdam)
Cristina Trilles (Vortex Coworking)
Claire Carpenter (The Melting Pot)
Moderated by Jean-Yves Huwart

従来の個人参加型のコワーキングスペースから、徐々にテレワーカーが利用するようになった。そのため、コミュニティをどう考えるかが課題となっている。コワーキングする時に、全く無干渉だと雰囲気が悪くなる。あまりベタベタしていても気持ち悪い。

メンバー数の増加も嬉しいが悩みとなる。分科会的な集まりもあり得るし、オンラインとの併用もある。テーマがテーマだけに発散した話になった。

3番目のセッションは、UpflexとSeats2meetの2つの発表の組み合わせ。

Meeting Rooms & More: New Product Demand in 2023 and Beyond

Mike La Rosa, Upflex
Ronald van den Hoff, Seats2Meet

Upflexは独立系のブローカーサイトでコワーキングスペースやサービスオフィスと提携してhot desk, meeting room, private officeを探索、予約可能にしている。

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12,946件の実績なので、まだまだこれからだが、独立系の予約サービスは今後伸びるだろう。日本人も関わっていると言う。

サードワークプレースの施設の属性は多様でまだ定番の属性定義はない。Upflexでも例えばモニターのレントサービスがあるかどうかは管理できるが、インチ数や解像度の情報はない。他のコワーキングスペースの管理を行うサービスでもSI的な個別サービスが無いと構成が決まらない形のものなので、標準化またはデファクトのリファレンスが今後必要になる。

ユトレヒトのSeets2Meetの話は、Ronaldさんのいつもどおりのお話。。SEP=Self Enterprising Professionalが相互に連携する新たな経済モデルの提案がベースにある。日本でも一時、Seats2Meetのサービスを導入したスペースがあるが、今は使われていない。本家のSeets2Meetは機能しているので、恐らくシステムでないところに重要な何かがあるのだろう。

今年は、Unconference Sessionには参加しなかった。

今年、何度も話題となったのは、来たるべきリセッションの話だ。Coworking Europeのコミュニティではかなり真剣に捉えられていて、概ね、今は借金する時期じゃないという話。ただし、勝負に出るのもこのタイミングというトーンもある。

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Unconferenceの最後のセッションでも取り上げられている。例年、2日目は参加者が減るが、今年は特に減りが多かったように思う。それでも、2日目のコーヒーブレークの会話は実り多い。それぞれ自分が面白いと思ったことを意見交換するので、自分の出なかったセッションのコメントが参考になったり、意見の一致や相違が明らかになるのも良い。続けて出席していることの意義は小さくない。

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