2024年9月時点のDrupal CMS

DrupalCon Barcelona 2024DriesNoteは時代の変化を感じさせるものだった。AIがゲームチェンジャーであることを痛感させられた。

今年は、Drupal11のリリースがあり、そのオフィシャルアプリケーションとでも呼ぶべきDrupal CMSが2025年1月にリリースされる予定になっている。Drupal CMSはノーコードサイトビルダーあるいは野心的サイトビルダーが利用しやすいプラットホームを指向している。細々と文章で説明するよりは、デモを見ていただくのが良いと思う。予想を超えるレベルのデモだったが、想像できる範囲に留まっていた。

その後、AI デモの部分から印象が大きく変わった。Copilotのような事例はしっていたが、Content Typeの定義などの様々なシーンで、AI Agentが訓練されたDrupal Site Builder(コンサルタント)の代わりに構成変更を行っていた。もちろん、デモはデモなのだが、私がDrupalコンサルタントとしてユーザーからヒヤリングしつつ構成定義を行っていく作業をAIがやってくれている。もう私は用済みだなと思わせる衝撃的なものだった。寂寥感は大きいが時代の変化とはそういうものだ。AIの時代にどう適応していくのかはそれぞれが考えなければいけない。Driesの発表したDrupalのAIポリシーは参考になる。

画像

デモではサイト移行(Migration)にもAIが活躍していて、サイトのクローリングからフィールドを推定してContent Typeを生成の上、そのフィールドにデータを取り込んでいる。これは、コンテンツモデリング(データモデリング)をAIがやり、さらに既存データの取り込みを行っている。ETLツールの構成定義をAIが担い、Drupalの新サイトにデータ移行を行っていることにほかならない。デモを見て、今後様々な混乱やうまくいかなくて苦労するケースも多々出るだろうとは言え、確実に実用化される日は来ると思った。老兵は消え去るのみか否かはともかくWeb出現後の最大の変化が来たのではないかと思った。本当に衝撃的だ。

最後の方だったが、Experience Builder (XB)  のプレゼンはやや地味だったが、大本のDrupalに画期的な変化をもたらすものと感じた。Admin UIの進化でLayout Builderを軽々とViewsまで拡張する野心的な取り組みで、当然ここにもAIのCopilot的な応用が想像できる。現在のDrupalショップは注目すべき動きだと思う。

これから何が起きるのかワクワクする。改めて思ったのは、世界の多くの動きは善意で回っているということだ。資本主義で大金で時間を買うような動きが強い中で、オープンソースプロジェクトは死んではいなかったのだ。同時に人間は食べられなければ生きていけない。オープンソースプロジェクトに関わる金の大きさも時代の変化を表している。過去の常識にとらわれることなくより良い未来を考えて行動できたら良いと思ったのであった。

タグ
feedback
こちらに記入いただいた内容は執筆者のみに送られます。内容によっては、執筆者からメールにて連絡させていただきます。