今週現地で知り合った方にKolga Manorに連れて行っていただいた。Manorは荘園と訳しても良いが、他国から入植してきて、地元の人から搾取しつつ巨万の富を稼ぎ、やがて滅んでいった人たちの町とも言える。
タリンの近くにもManorがあることをGoogle検索で知ったので、一人で行ってみた。Kloogaは、バルト駅(タリン駅)から2時間かからないPaldiski行の終点しばらく前の駅だ。駅を降りると、なんだかとても遠くに来た気がする。
とりあえずGoogle Mapにやや従って歩くとKlooga Manor方面に向かう道のはじめに看板があった。
看板には、Kloogaという地名は、Hans von Klugenというドイツ人に由来し、彼は1665年にこの地を入手したようだ。1944年に悲惨な事件とともに放棄され、今は廃墟となっている。
Google Mapに従い車道をはずれて踏み入ったところは、冬には適さない場所で、しばしば倒木に遮られて、他の人の足跡の存在を確かめながら、目的地に向かわなければいけない。
この倒木は序の口で、その後は必死になってしまい写真を撮るのも忘れてしまった。20分ほどで、ようやく視界がひらけた。
さらに暫く行くと、目的地に到着。
廃墟ながら、堂々とした風格がある。
中央下に地階に入れるところがあるが、危険を感じてパスし、建物の横側から内部に入ると崩壊度が良く分かった。
すぐ崩壊する危険は感じないものの、地下に通じる穴が開いていたりして中々スリリング。建物裏側は湖で、とても美しい。
数分歩くと開けた場所からの湖はほぼ凍っていたが、美しかった。
Google Mapを参考に、別の道を辿って車道に向かう。車が通る道だから安全かと思ったら、実際には湿地帯で、時折足元から氷の下は水というミシミシという音がして緊張する。歩ける場所を探りながら進まないといけない。
無事かえる途中で、Google Mapが、ここから入れと行ったところを撮影
他の道はなかったり歩ける状態ではなかったので、結果的にここから分け入ったのは正解だった。
Manorは恐らく貿易商でもある。ドイツの信用があって取引ができるから、少なくとも最初は地元の農民が同じ商売をやることは不可能だっただろう。しかし、やがてきちんとした品質があることがわかれば、Manorを介さずに安く取引できればその方が良くなる。現地の人は、搾取されつつも外を見る機会には恵まれないから、独立だけでは足りない。他の支配者を見るなどして、やり方を学ぶような人が現れて、変わっていくのだろう。果たして、シリアはその生産物が適切に評価されるような形で正常化できるのであろうか。