Google FIはGoogleが米国で展開しているMVNOによるモバイル通信サービスである。
私は2009年にアメリカに赴任した時に、T-mobileでアンドロイドデバイスのT-mobile G1を契約した。今も、その番号をずっと維持している。銀行口座もクレジットカードも口座開設後10年を超えて継続利用している。
Googleからキャンペーンのメールが来たので、今回出張時に思い切って、T-mobile (iPhone SE)からGoogle FIにナンバーポータビリティを利用して契約切り替えを行った。T-mobileも国際ローミングが使えるので、日本でもインターネットを月に1GBまで利用できサービスには満足していた。ただ、米国外では追加料金を払わないと4Gのスピードがでないのと、自分の求める使い方だとGoogle FIの方が料金が安い。
キャンペーンメールは、以前Google FIに興味をもって情報送信のリンクからsign upしてあったから来たと思われる。日本では契約できないから情報収集のつもりで登録したのだと思うが記憶にない。たまたま出張計画中のタイミングで申し込みリンクが送られてきたので、やってみることにしたのだ。米国で既存の電話契約があって、米国のクレジットカードがあれば問題なく申し込める。ただし、キットを送る先が米国の住所でなければならないので、受け取れる個人か事務所のアドレスが無ければいけない。幸い、私の場合はクリアできるので、出張の約1か月前の3月18日に申し込んだ。
3月24日にGoogle Fi SIMの配送を依頼、3月28日には郵送先に届いた。私自身がニューヨークに着いたのは4月19日で早速パッケージを受け取りT-mobileからの移行手続きを開始した。SIMをセットして、説明の紙に従ってAPNを手動設定。事前に入れておいたGoogle FI appを立ち上げてまず物理的な接続を確立。アプリで番号移行(契約移行)の手続きを開始した。切り替えに当たってT-MobileのPINが必要となる。通常はソーシャルセキュリティー番号の下4桁だと書かれていたので、入れたのだが却下されてしまった。冷や汗が流れた。
気を落ち着けてT-mobileショップを探し、店頭で大変恐縮なのだがGoogle FIに契約移行したいのでPINがいる、と店員に正直に聞いてみた。解約なのにもかかわらず、大変親切に対応してくれて、PINが6桁である事が判明。再設定を進めてもらい無事移行を完了した。
米国では実際にはT-mobileにつながっていて、前後で利用感に変化はなかった。日本に来てからは大抵docomoにつながっていて、T-mobile時代よりは体感で速い気がする。ただ、爆速というわけではない。SpeedSmartで計測すると、概ねダウンロードで5Mbps程度は出る。これまでの最速では14.23Mbpsだった。IIJmioのSIMとほぼ互角。ただし、Pingのスピードは概ね300msと10倍以上遅い。私の使い方では、ほぼ実用に差し支えない。
価格は基本料金が月額20ドル(税別)、データは1Gあたり10ドル(月額最大60ドル、税別)。面白かったのは、初月の締めの時に1Gに達していなかったので、データ料金が0だった事だ。翌月は前月にチャージされなかった約120Mからのスタートで、その上に積算されているところだ。次の締め日の時にどうなるのかはまだわからない。ニューヨークは税金は高く、基本料金の20ドルでも、税金を入れると26.30ドルになる。T-mobile時代のプランは、税込み56.44ドルだったから、概ね毎月15ドルの削減になると思う。
ちなみに、Android端末では、国籍が日本のままだとアプリがダウンロードできない。別のIDを米国出張中に米国籍にしてダウンロードしても、契約したgoogle idが異なるためか、最初はうまく動かなかったが、現在はちゃんと動いている(謎)。