Instant GroupとIWG(Regus)がInstantに寄せる形で契約系システムを統合するらしい。IWGは約350億円投資する(ベンチャーファンドから買い取る)。Instantのサービスはサービスプロバイダーと利用者を結びつけるプロバイダー非依存のマーケットプレース提供事業者だ。IWG/Regusは多くのスペースを運営しているので、Instant経由だと二重管理が避けられなかったのがダイレクトになるのだろう。ビルオーナーからすると、設営やオペレーションでIWGを活用しやすくなる。他の大手Flexオフィスブランドがどう動くのか気になる。同時にInstantの独立性が本当に維持できるのかも気になる。
ユーザー企業からすると、大手企業は契約料の大きさから大手ブランドのディスカウントが得られていたが、テレワーク普及に伴い、どこででもコワーキング(この場合は、CoworkingではなくCo-working)できるようにしたいというニーズに単一ブランドサービスでは対応しきれないので、Instantのようなマーケットサービスの利用は避けられなくなっている。
もし、首尾よくInstantが来年IPOできて資金調達ができると、時代が変わるかもしれない。
Instant groupはCoworking EuropeでもGCUCでも市場動向分析の発表を行っていていつも興味深い知見を与えてくれている。個人としても経営者と多少繋がりがあり、印象が良い。傲慢さが感じられない企業で、その将来に期待している。
記事から読み取れる内容は僅かなので、本当にどう変わっていくのかはまだ分からない。マーケットサービスが一定のシェアを得るようになると、契約フレームワークが標準化されるようになる。個々のサービスプロバイダが特徴を出そうとしても標準に合わない部分は検索に引っかからなくなる。ローカルなスペースはグローバルなマーケットプレースには出しておくだけで良いから、大きな影響は受けないと考えている。10拠点以上のスペースを運営しているような事業者はやがて対応しなければいけなくなるだろう。
蛇足になるが、私が会社を始めた時にイメージしていたサービスがようやくInstant社によって違う形で実現されつつあると感じている。私のこの分野の投資挑戦は2017年に失敗に終わってしまったが、良い感じで時代が動いているのはとてもうれしい。まあ、自分ができることをやろうと思う。法人を起点とするのではなく、個人を起点とする時代はやがて来ると思っている。