2回目のタリン3週間滞在

昨年に引き続き、今年も約3週間タリンに滞在して執務した。ワーケーションといえばワーケーションだろう。

2回目ということと、昨年のコロナ臨戦態勢がとけていることで、今年は落ち着いて執務ができたと思う。現実には、9割が日本の仕事で、日本で在宅している時とほぼ同じように執務していた。違いは、日本だと時折午前中の打ち合わせもあったが、基本15時以降(当地の8時)に調整させていただいた点だ。今朝は14時からのミーティングだったので、こちらの6時過ぎに出社(Workland入り)して、朝のメールチェック等を済ませて7時から自席でWeb会議に出席した。冒頭の写真は散歩を兼ねてちょっと遠回りした旧市街の今朝6時ころの写真である。

Worklandで仕事をしていると、静かで机が広く、大型ディスプレイを用いて、キーボードもマウスも使い慣れたものを持参したので、在宅勤務に比較して劣後する部分はない。掃除は不要だし、私物が無いので、気も散らない。テレビもなければ宅急便も来ないので、邪魔も入らない。コーヒーが飲みたくなったら一階下のキッチンにコーヒーを入れに行き、そこで短い会話をする。その場でコーヒーを飲みながら、10分以上話すこともあるし、自席にコーヒーをもって上がるだけのこともある。自席にいると、周りの人の働いている空気が感じられるので、落ち着いて仕事に没頭できる。費用は、18日間で€324。一日あたり€18だから本日の相場で計算すると2,600円程度となる。机代は1ヶ月分払ったので、1月いれば7万円程度。電気代や水道代、ネットワーク、コンシェルジュサービスやコーヒーも含まれるので、企業のオフィスコストと比較して高いわけではない。実際、企業で部屋借りしているところもあるし、複数人が出入りしているケースもある。総務的な心配をすることなく、執務に集中できるという意味ではサードワークプレースのメリットはとても大きい。移動時間はホテルから徒歩20分弱でちょうど良い運動になる。日本大使館へは徒歩3分程度。メールはともかく、直接世話になったことはないが、安心感がある。

リモートワークが占める割合が増え、対面の比率が減ると、タッチダウン型の利用より、良いワークプレースを確保したほうが具合が良い。そこを拠点にして気分転換に外に出るくらいのほうが良い。これは、自社オフィスでも同じで、拠点として十分快適であれば問題はない。ただ、自社オフィスでは中々徒歩30分以内という訳にはいかないので、途中で家に帰ったりまた出たりという訳にはいかないだろう。ABWのActivity間の切り替えの時間はばかにならないのである。最近はマンションの中にワークスペースを準備するところもでてきている。良いアイディアだと思うが、個人的には近すぎる気がする。一度は外の空気を吸いたいと思う。そしてワークプレースでのコワーカーとの距離感も重要だ。近すぎる人と長く一緒にいるのは疲れる。雑談はできるが、利害関係が薄い関係のほうが気が楽なのだ。

ホテル住まいも気楽だ。長期なら、電動歯ブラシやシェーバーも普段遣いのものを持っていくから、生活上の不便は感じない。部屋に帰ってくれば全てが整っている。朝食バフェも自分で準備しなくても良いし食器も洗わなくても良い。流石に長期滞在でも1日5,000円以上はかかるから安くはないが年に1ヶ月程度ならなんとかなるし、ストレスのない暮らしは快適だ。

観光も楽しめる。休日に出かけるのは東京にいる時と変わらないが、普段見る景色とは違うし発見も多い。もともと観光目的で来ているわけではないから、忙しければ無理に観光スケジュールを組む必要はないし、予定が狂って空き時間ができたら、じゃあちょっと観光してみるかといった気楽なものだ。今回は、ヘルシンキ遠征をしたけれど、それだって前日に決めたような小旅行で、1万円かけたわけでもない。

何とか、こちらでも稼ぎが得られるようにと考えて、こつこつと活動しているがもちろん甘くはない。日本で顧客獲得、案件獲得を頑張っても簡単には取れないのと変わらない。よく考えて、どうすれば仕事になるかを探し続けるしか無いのだ。排水の陣を敷いているわけではないので、今すぐになんとかしないとだめなわけではないが、いつまでも仕事にならないのであれば別の道を探さなければいけないだろう。エストニアの人や会社が日本からのリモートワークでも頼みたくなるようなサービスあるいは、商品が提供できなければ仮に会社が立てられてもビジネスも生活も成り立たない。やりたいと思うのなら、諦めずに道を探すしか無い。喜んでもらえるようになるしかないのだ。自分の長所短所は与件であって、その制約のもとで道を探すしか無いのだ。

ちなみに、1ヶ月を超えるようになると、床屋や医療等の世話になることを想定しなければいけなくなる。時間的な割合で言えば僅かなものだが、生きていくには不可欠な営みがあり、言葉の壁も乗り越えていかないといけない。

その時、その時にいたいところにいて、生きていけたら嬉しいと思っている。もちろん、一緒にいたい時に一緒にいたい人と過ごしたいのは言うまでもない。どの関係もできる範囲で自分を磨いて、環境適応していく以外の道はないのだろう。

フレキシブルワークスペースやフレキシブル居住スペースを前提においたライフスタイルはそれほど遠くない時期に現実のものになると思っている。世界で3カ所程度は安心できる居場所を見つけておきたい。

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