ポストCOVID-19を見据えた動きは始まっている

CBREの
Crisis Management and Continuity Planning for COVID-19 in APAC
というWebinarを拝聴した。ビル管理を含む不動産業の香港拠点から見たCOVID-19に関する対処法(実績)で非常に興味深かった。様々な業務プロセスの定義(プロトコル≒手順)を丁寧に再定義して、従業員が迷わずにかつ比較的安全に業務に従事できるようにしていた。もちろん、テナントの安全にも貢献するような情報も準備している。カフェテリア等の共用部分の安全性を高める活動が行われているのが良く分かった。

特に印象に残ったのは以下の3点

1. 隔離スペース
オフィスビルを前提で見ていたりするので、空きスペースを緊急時の隔離スペースに設定しているケースがあるとのこと。確かに、万が一ビル内で具合が悪くなった人がいた場合の場所が準備されていれば望ましい。

2. 空調システム(HVAC)に特に注意していた

3. 個人防護具(PPE)への対応
手袋はともかく、ガウンやフェースシールド等は、従来は装着不要だった作業員が、安全に作業できるような手順をまとめていたのは、素晴らしいとおもった

他には、シャトルバスの清掃の話や、手洗いの仕方、洗面所での注意喚起の仕方など、大手の組織ならではでの気の配りようには脱帽。

あと、まだ多くのテナントオフィスは閉鎖中だが、Social Distancing対応のレイアウト変更の引き合いは既に多く出ているのだそうで、増床依頼も少なくないのだそうだ。もちろん、ロックダウン状態から解除されても在宅も増えるのは明らか(と言っていた)が、オフィスそのものに求められるものが変化し、それに対応できればビジネスチャンスになるという意味の発言があったのは、うーん、さすがCBREと思わされたのであった。

日本の話しは、スライドに1行出てきた以外はスルーだったが、各国の状況が違うものの、共通部分は多く、どうせ変化するなら、単にCOVID-19だけを意識したものじゃつまらないといった前向きさが感じられたのに感心させられた。

テレワークを考えると、ワークプレースのあり方について考えないわけには行かない。コワーキングスペースやシェアオフィス、自社オフィスが今後どう変わっていくかのヒントがいくつも得られてラッキーだった。