タリンで2回目の週末がやってくる

hagi に投稿

3回目とは言え、異国の地に2週間滞在すると少しずつ土地勘もつく。タリンは碁盤の目の街ではないので、最初はホテルと職場としているコワーキングスペースの往復で結構迷って、すごく遠回りした経験も複数ある。あえてGoogle Mapに頼らずに歩いたからだ。どうもおかしいと思った時に初めてGoogle Mapを見るととんでもないところにいた経験もある。2週目からは、通勤路はほぼいつも同じ道になり、途中にある酒屋やスーパー、飲食店など今日はどこを選ぶかという感じになってきている。行動が日常化しているのだ。

もちろん、通勤路以外の動きは努めていしているのだが、定常状態+少冒険という形なので、受ける刺激は激減している。コワーキングスペースも見知った顔はお互いに覚えてしまったし、オープンスペースにいる人も、お互いにああ今日もいるなという感じになる。マスク無しの人が多いので、会話はしない。コワーキングの醍醐味は半減である。

昨年夏に一ヶ月当地で過ごす予定にしていた時は、アパートを借りる予定にしていた。そして、アパートの周辺のパブを結構真面目に調べていた。コワーキングスペースとは別に、ただ毎晩バーに通えば、得られることがあると思っていたからだ。地元谷根千でも、前職の勤め人だった時は、地元のレストランは知っていても地元とのつながりは希薄だった。退職して3年程度が経過してカウンターのあるお店4軒の常連(自分でかってに思っているだけだが)になって初めて感覚が変わったのだ。思い出せば、ニューヨークに住んでいたときもアパートのそばのバーに一人で行くことでなんとなく街が見えてきたような気がしたのだった。バーのカウンターの中にいる人達は商売だから相手をしてくれるし、常連は増やしたいからケアしてくれる。カウンターに常連がいる時になんとなく話ができるような雰囲気を作ってくれたりするのだ。それは谷中でも変わらないし、恐らくタリンでも変わらないだろう。しかし、コロナはそういう環境を完膚なきまでに破壊した。少なくとも、住んでない人は単なる客になってしまうし、滞在者は罹患リスクを地元の人より意識しないわけにはいかない。一人で来ていればなおさらである。

残り後一週となって見ると、やっとアポが取れた商談があったりするが、この先は3ヶ月滞在か、1ヶ月単位なら3回、4回と重ねないと次の段階には至らないだろう。稀には短期間で馬が合うこともあるが、それは例外に過ぎない。必ず時が必要なのだと思う。

年が明ければ62歳になる。70歳位まで元気でいられると仮定するとあと8年しか無い。その間に新しい未来をつかみ取りたいものだと思う。

※画像は今日ラエコヤ広場のロシア料理屋で食べたボルシチ。1,000円程度と高くないのにすごく美味しかった。