イベント参加費用

今日、ノーフリーランチの話を読んだ。

日本のイベントの多くは無償で参加できる。もちろん、有償のものもそれなりに高額なものもある。私は、米欧と何が違うのか不思議に思ってきた。例えば、今年の北米DrupalConの当日レートは$1095(約16万円)、早期割引でも$795(約12万円)と高額である。もちろん円安の影響は小さくないが1ドル100円で考えても約8万円のチケットを技術者が自前で負担するのは難しい。Coworkingの世界でも北米のGCUCオンサイトは手数料を含めると$1057(約16万円)、Coworking EuropeのオンサイトはVAT込だと€1.020(約16万円)。日本で開催したら、参加者が得られるか危ぶまれるだろう。

米欧でも所属企業が払うケースは多いと思うが、企業が払う場合は、それに見合う見返りが必要になる。人材の引き止めのために使うこともあるかも知れないが、カンファレンスに従業員を送るのは転職の可能性を高めることになる。見ていると、タレントのハンティングに人を送っているケース、プロダクトを売り込むために人を送るケース、経営者が時代の流れをつかむために参加しているケースが多い。

日本だと、企業(経営者)がフリーランチ(イベント参加料)を負担している。イベントはただでは開催できないが、見えにくい形でコストを負担している。イベント開催者はコストを下げることに血道を上げる。人件費を抑えるために実質的な主催者が自社の工数を無償で投入する。私自身、その恩恵に浴しているので大きなことは言えないが、持続性は低いと思う。

私は、参加者負担はゼロではいけないと思っている。極論を言えば1円でも良いが、自分の痛みを感じられる程度の負担がなければ物見遊山の参加者が増える。あくまで個人的な感想だが、それが本気度を下げているように感じる。

学会モデルが参考にはなる。学会の会費は今なら1万円程度。組織維持には足りないが、個人としては安くない。それでも、緊張感はそれほど高くない。

一つは、自立を国が推奨するか否かにかかっている。金持ちが紐付きの金をつけるのは恐らく良い未来を産まない。世襲、あるいは保守は亡国である。個人が自己投資に使う金を回収可能にする方法を模索するべきだと思う。

feedback
こちらに記入いただいた内容は執筆者のみに送られます。内容によっては、執筆者からメールにて連絡させていただきます。